いま足元でなにが起こっているのか...

物事を客観的に捉え、何をしなければならないかを冷静に考えるヒントをピックップします。主観は排除し、過去の常識にとらわれず、「Opinion」ではなく「Fact」を伝えることをモットーとしています。転ばぬ先の杖...それがこの“Sheel Report ”です。

トランプ大統領弾劾?「ウクライナ疑惑」の真相 

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トランプ大統領弾劾?

バイデン前副大統領の息子とウクライナ企業との関係...まずはそこから整理しておきましょう。

ジョー・バイデン氏は、ここまでかなり数奇な運命をたどってきています。

ジョーが生まれたときに父親は、数件の事業に失敗し、貧困生活となり、転居も繰り返すようになっていたようです。

そんな環境にも負けずに勉強して弁護士になり、結婚して2男1女に恵まれるも、自身が上院初当選後、子供達を乗せて妻が運転する車にトレーラが追突し、妻と娘が死亡、男の子2人は重傷を負いながらも助かったのですが、長男はその後、司法長官を経て州知事選前に46歳で脳腫瘍で亡くなっています。

 ジョー自身も脳動脈瘤破裂で2度の手術を受け、一時は政治生命も危なかったようです。

 大統領選にも挑みながらも最期の切符を得ることなく、オバマ大統領の副大統領となり、今回、ようやく民主党大統領最有力候補となっているのです。

さて今話題の中心にいるバイデン氏の息子は、この生き残った次男のハンター氏で、彼はコンサルタントという職歴で、コカイン使用暦も告白しています。

どこにでもある、優秀な兄貴と比較される次男という構図だったのでしょうかね。

その次男のハンター氏は、2014年5月から今年4月まで、ウクライナ最大のガス会社「ブリスマ」の役員となっていました。

2014年のウクライナは、2014年2月まで、親ロシアのヤヌコーヴィッチ大統領の政権でしたが、EU関係強化の動きが強くなり、ヤヌコーヴィッチ政権が崩壊し、親ロシア勢力一掃の動きが強まりました。

ウクライナ最大のガス会社「ブリスマ」という会社は、創設者である元環境・天然資源相の職権乱用が問題となり、まさに親ロシア勢力一掃のターゲットとなった企業で、海外での創業者口座凍結等の措置も取られたりしていました。

英国側から脱税等の疑惑がもたらされ、調査も行われ、会社存続の危機に追い込まれ、自ら親ロシアではなくEU側の立場であることを強調するため、また、今までの政権庇護の下の閉ざされた体質からオープンな企業に変わったことを強調するために、欧米の著名人を役員に迎え入れることで、何とか企業を存続させよう
としました。

その時に役員に入ったのが、当時米国副大統領だったバイデン氏の次男のハンター氏だったのです。


☆バイデン前副大統領が息子を守るために介入?
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バイデン副大統領(当時)は、何度もウクライナを訪問していました。オバマ権での「ウクライナ担当」のような感じでした。

ただ当時、民主党内部からも利益相反の疑いがかけられると、バイデン副大統領の次男がウクライナのガス会社役員になることを危惧する声があがっていました。

裁判記録によれば、次男のハンター氏は、友人の米国企業を通してウクライナのガス会社「ブリマス」から、2014年と2015年の2年間で85万ドル、日本円にして1億円以上(当時レート)のお金を受け取っていました。

ウクライナ検事総長は、このガス会社に調査に乗り出しました。

それに対して、2015年にバイデン副大統領(当時)はウクライナ訪問時に、この検事総長の解任を求めたようで、それが2016年に実現したという経緯があります。

ここにトランプ大統領が手を突っ込んだというのが今回の話です。

トランプ大統領が、ジョー・バイデン前副大統領と息子ハンター・バイデン氏を調査するように、ウクライナのゼレンスキー大統領に圧力を掛けた...

このことが、大きな波紋を呼ぶことになったのです。

冷静に見れば、トランプ大統領の行動にも理があるようにも見えますが、いまのバイデン氏は、野党民主党の大統領選挙最有力候補と目されていることで、トランプ大統領のこの行為が、大統領選挙に外国を関与させることを禁じた連邦法に違反するのではとの指摘が出てきたのです。


☆「ロシア疑惑」にも飛び火する可能性が...
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------実は、この話はここで終わりではありません。

トランプ大統領の側近で、選対本部長だったポール・マナフォート氏の存在が、クローズアップされてきました。

マナフォート氏の肩書きは「ロビイスト」「選挙コンサルタントとなっていて、彼は、親ロシアだったウクライナのヤヌコーヴィッチ大統領の選挙コンサルタントを10年近くやっていたそうです。

マナフォート氏とトランプ大統領の関係は30年以上のつながりがあり、顧問弁護士として、大統領になる前からの不動産事業やカジノ事業に携わってきています。

マナフォート氏と言えば、トランプ大統領ロシア疑惑のときにも再三にわたり登場していた人物で、後に、大統領選とは関係のない資金洗浄罪で起訴されています。

ロシア疑惑とは、先の大統領選挙で、ドナルド・トランプ共和党補とヒラリークリントン民主党候補との選挙戦で、トランプ陣営が、ロシアと結託して、クリントン陣営の不利な情報をリークして、トランプ陣営を勝利に導いた疑いがあるというものです。

複数のトランプ陣営側と人物とロシア政府関係者との接触が取りざたされていました。

そのトランプ陣営側の人物として名前が挙がっていたのが、娘婿であるジャレット・クシュナー上級顧問や選対本部長のポール・マナフォート被告(大統領選とは関係のない資金洗浄罪で起訴)なのです。

他に、選挙期間中の昨年6月、ヒラリー・クリントン氏について不利な情報を持つというロシア人弁護士に面会していたトランプ氏の長男ドナルド・ジュニア氏、ロシア関係者との接触と面会の仲介についてFBIに嘘をついたと認めたトランプ陣営外交顧問だったジョージ・パパドプロス被告、さらに、政権発足前に駐米ロシア大使と会談していたことについて、連邦捜査局(FBI)に嘘をついたことを司法取引で認めたマイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が登場しています。

ポール・マナフォート氏は、ウクライナの親ロシア派であるヤヌコーヴィッチ大統領の選挙コンサルタントを務めることでロシアとの深いパイプを作ったとされています。

つまり、トランプタワーで長男のドナルド・ジュニア氏とロシア側の弁護士が対談した仲介は、間違いなくマナフォートの業績であり、マナフォート氏はロシア疑惑の核となる人物ではないかということです。

バイデン氏次男のウクライナのガス会社との関係を深堀していくと、ふたたび、マナフォート氏が表に出てくることになりそうで、それは、ロシア疑惑にまで話が戻される恐れもあるとされています。

   バイデン氏を攻撃すれば、自分にも跳ね返ってくる...

トランプ大統領にとっても「諸刃の剣」のようなものなのですが、ただ、各社の報道によれば、トランプ大統領再選も安泰とは言えない状況であるようで、この「諸刃の剣」を振りかざさなければならないぐらい追い込まれているのではとの見方もあります。

このウクラウイナにおけるバイデン氏次男の疑惑は、民主党大統領選最有力候補を落とし込む有効な切り札になりえるとも言えます。

民主党ナンシー・ペロシ下院議長は、トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領に対し、民主党米大統領候補争いでトップに立っているバイデン前副大統領に関する調査を求めたとの疑惑に関しては徹底抗戦の構えのようです。

大統領弾劾にまで追込むと強く臨んでいるようです。

民主党としても、たとえバイデン氏が傷ついたとしても、人気上昇中のエリザベ
ス・ウォーレン候補もいます。

場合によっては民主党陣営は、バイデン氏を、トランプ大統領と心中させてもよ
いとまで思っているのではないでしょうかね。

このウクライナ疑惑は、どっちの陣営に有利に働くのでしょうかね...