米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は9月23日、同州内におけるガソリン車の新車販売を2035年までに禁止すると発表し、同年までに州内で販売する全ての新車(乗用車およびトラック)をゼロ・エミッション車両とすることを義務付ける知事令を発しました。
ガソリン車両の所持や中古車販売は対象外となります。
気候変動への対策として、化石燃料の需要を劇的に減らすことを目的とするものです。
カリフォルニア州内の温室効果ガス排出の50%以上が輸送セクターによるもので、ゼロ・エミッション車両の新車販売を義務化することで、同州内の車両から排出される温室効果ガスの35%以上、窒素酸化物の80%削減を目指します。
国際クリーン輸送協議会(ICCT)の2020年8月の報告書によれば、2019年に全米で販売された(中古車を含む)電気自動車のうち、約50%がカリフォルニア州で販売されたものとなっています。
都市別で同年の新規登録車両に占める電気自動車の割合をみると、サンノゼが20%で最も高く、自動車を購入する5人に1人が電気自動車を選んでいることになります。
電気自動車の新規登録台数でも、ロサンゼルスが最も多い約5万5,000件、次いでサンフランシスコ、サンノゼ(約2万8,000件、約2万件)と、カリフォルニア州は全米最大の電気自動車市場となっています。
排ガス削減目標を緩和しようとするトランプ政権と、グリーン化を促進したいカリフォルニア州は、燃費基準などをめぐって激しく対立していると報じています。
政権側としては、今回のカリフォルニア州知事のガソリン車の新車販売禁止措置を「非常に極端な判断のように思える。消費者が電気自動車を含め、全ての自動車から選択可能であるべきだ」と述べたとあります。
今回のカリフォルニア州知事発言は、これからの世界産業の構図を大きく変えていくきっかけとなりそうです。
日本の輸出産業は、鉄鋼や半導体が廃れて、今は自動車のみとなっています。
トヨタやホンダは、内燃機関に関して世界のトップとなっていますが、電気自動車に関しては、世界から大きく遅れ散ると言わざるを得ません。
ハイブリッド車も規制対象になります。
世界のecoに対する潮流に、日本産業が乗り遅れている現状を考えると、日本産業の未来はどうなるのでしょうか。
日本で内燃機関技術を捨てられないのは、下請けのあまりの多さであり、日本の自動車産業が下請けに支えられているということにあります。
日本の雇用を守るには、ガソリン車は捨てられない状況にあるのでしょう。
産業構造そのものを見直さなければならないということを、日本に突きつけられたのではないでしょうか...