いま足元でなにが起こっているのか...

物事を客観的に捉え、何をしなければならないかを冷静に考えるヒントをピックップします。主観は排除し、過去の常識にとらわれず、「Opinion」ではなく「Fact」を伝えることをモットーとしています。転ばぬ先の杖...それがこの“Sheel Report ”です。

デジタル教科書規制見直しで普及促進、広島では小中高オンライン授業をめぐる談合が発覚...

f:id:SheelReport:20201023153241j:plain

デジタル教科書

デジタル教科書普及に向けて

萩生田光一文部科学相はデジタル教科書の普及に向け、現在は各教科の授業時間数の2分の1未満とする利用規制を見直す方針を表明しました。今年度中に小中学生全員に1台ずつ学習用端末が行き渡ることを目指すようです。

紙の教科書と同一の内容をパソコンやタブレット端末で見られるデジタル教科書は、2019年度から導入できるようになりました。

 デジタル教科書には

  • 教員が授業の中でディスプレイなどに表示して使用する「指導者用」
  • 児童・生徒が紙の教科書と同じように自身のパソコンやタブレットなどの端末で使用する「学習者用」

の2種類があります。

これまでも指導者用デジタル教科書は導入が進んでおり、授業の中での活用も進んでいましたが、一方で、学習者用デジタル教科書は、2018年5月の学校教育法改正(学校教育法等の一部を改正する法律 )を受けて、2019年度から紙の教科書と同じ内容を収録したデジタル教科書であれば、紙の教科書と併用できるようになっています。

ただ、

  • 児童・生徒が使用するパソコン・タブレット端末が整備されていなかった
  • 学校教育法(第34条第2項)がデジタル教科書の基準として、紙の教科書が主でデジタル教科書は各教科の授業時間数の2分の1未満しか使えないという制約がある
  • 紙の教科書は国費で児童・生徒に無償給与されるのに対して、デジタル教科書は無償給与の対象外で、1教科につき200円〜2000円の費用は学校設置者となる教育委員会の負担となる

ことで、多くの自治体は、「学習用」のデジタル教科書導入に、二の足を踏んでいました。

今回、デジタル教科書を巡って平井卓也デジタル改革相と河野太郎規制改革相が、萩生田氏と協議して、規制を見直すよう求めたことで、「学習用者」のデジタル教科書の普及を進めようと動いたのです。

文部科学省指針では、目の疲れなど健康面への配慮から、学習用端末使用時間を制限していました。

文部科学省としても、今後、規制を緩めていく考えを示し、年内にも具体的な方向性をまとめるとしました。

 

デジタル教科書普及の実体

文部科学省は2021年度予算の概算要求で、小学校高学年と中学校でのデジタル教科書の購入費の一部を補助する関連費を計上しました。

2024年度には本格的な導入をめざし、現在は有識者らを交え制度設計を進めています。児童生徒への健康面での影響などの検証も、2021年度から進めるとのことです。

 

文部科学省の調査では、小学校の学習者用デジタル教科書は、

2019年度は紙の教科書の20%
2020年度には94%

と大半が利用可能な状況になっている一方で、公立小学校で学習者用デジタル教科書を導入している自治体は

2019年度で6.1%
2020年度でも14.7%

にとどまっています。

 

GIGAスクール構想

2020年に入って、児童・生徒1人1台のコンピューターと高速の校内ネットワークを整備する GIGAスクール構想 新型コロナウイルス感染症対策で前倒し導入されることが決まりました。

GIGAスクール構想とは、子供たちの未来を見据え、児童生徒向けの1人1台学習用端末と、高速大容量の通信ネットワークを全国一律で一体的に整備しようというもので、 2019年12月13日に閣議決定された2019年度補正予算案で、GIGAスクール構想の実現に向けて2318億円が計上されました。

文部科学省は整備された端末で使用する学習者用デジタル教科書を次の小学校の教科書改訂時期に当たる2024年度に本格導入することを視野に、デジタル教科書の位置付けや使用時間を制限する現行制度の見直しなどを含め、有識者会議で検討を行うとしています。

会議の座長を務める東北大の堀田龍也教授は

子供たちが1人1台端末を持つ前提で、良質なコンテンツを提供し、紙と異なる使い方の検討が必要だ...

と語っています。会議では、2020年中にも方向性を示す予定です。

 

オンライ授業に水さす談合が発覚...

広島県広島市が発注する、パソコンなどの学校用コンピューター機器の入札で談合を繰り返した疑いがあるとして、公正取引委員会は2020年10月14日までに、独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで、NTT西日本(大阪)や大塚商会(東京)の広島県内の支店など、計14社を立ち入り検査しました。

新型コロナウイルスの感染拡大による休校措置などで、オンライン学習への関心が全国的に高まっている中での出来事で、まさに、オンライン授業化に水を指す事件です。

立ち入り検査は13日と14日に分けて実施され、他に受けたのはNTTビジネスソリューションズ(大阪)やNTTフィールドテクノ(同)、ソルコム(広島)、ハイエレコン(同)などとなっています。

立ち入り検査の対象となったのは、広島県立高校や広島市立の小中高で使うパソコン本体やタブレット、サーバーや設定作業などの一般競争入札や見積もり合わせで、14社は遅くとも2013年ごろから、入札金額などを事前に調整して受注業者を決めていた疑いが持たれているとされています。

広島県広島市教育委員会は、これまで学校現場の情報化に注力してきた自治体です。

本年度は、県立高35校の新1年生に「1人1台」のノートパソコンやタブレット端末を保護者負担で持たせる取り組みを始めていました。

広島県教育委員会によると、学校用コンピューター機器の購入費用は年によってばらつきがあるものの、多い年は数十億円に上るということです。

広島市教育委員会も、文部科学省の「GIGAスクール構想」のもと、2019年度から市立小中学校の全児童生徒へのタブレット端末の配備を進めていました。

約10万台の導入で46億円超の予算を充てる計画で、ともに巨額の公金を投じるだけに、談合で割高になっていないかの確認が急務といえます。

広島県の物品電子入札を確認すると、7月以降の一般競争入札で、今回立ち入り検査された企業による応札がタブレット端末などで少なくとも3件あったようで、1件は予定価格と落札価格が同じ落札率100%だったそうです。

広島市は本年度、一般競争入札で7回、端末を調達したうち6回は応札が1社だけで、残る1回も事実上の単独入札でした。

落札企業はいずれも、公正取引委員会から立ち入り検査をされており、落札率は全て99.9%を超えています。

公正取引委員会による検査に、広島県教育委員会広島市教育委員会からは

何が対象で、どのような調査がされているのか、現時点では分からない...

などと困惑の声があり、今後の推移次第で、情報化の工程表が大きく狂う可能性もあるとのことです。

まったく、国の政策が動くと、こういう不祥事など、不正行為が見られ裏金が動きます。この国の政治はどうなっているのでしょうね。

デジタル教科書発注も、気をつけて見ていおたほうが良いですよ...