いま足元でなにが起こっているのか...

物事を客観的に捉え、何をしなければならないかを冷静に考えるヒントをピックップします。主観は排除し、過去の常識にとらわれず、「Opinion」ではなく「Fact」を伝えることをモットーとしています。転ばぬ先の杖...それがこの“Sheel Report ”です。

日本の「カーボンニュートラル」は原発再稼働の布石か...

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温暖化ガス

菅総理の「2050年までの温暖化ガス排出実質ゼロ」発言ですが、バイデン前副大統領が次期大統領になりそうだという情勢を鑑みての発言かとも思いたくなるほど、唐突感が否めない感じがしますね。

 2050年温暖化ガス排出実質ゼロに関しては、あくまでも方針であり、その具体的な手段は語られてはいません。

この発言を再生可能エネルギーが推進されると歓迎する雰囲気の中で、世耕弘成自民参院幹事長は「原発利用」を明言し、新たな原発施設建設にも触れました。

原発は、そう簡単には全面廃炉にできる話ではない、奥の深い問題のようです。

トイレのないマンション...

原発事業をこう揶揄されていますが、いわゆる原発ゴミの処理方法は、いまだにどうするかは決まってはいません。

現在、青森県六ケ所村と茨城県東海村に「中間貯蔵」として2600本の貯蔵庫があり、そこで30年かけて空冷しています。

この後最終処分場を探して、その場所の地下深くの地殻岩盤に埋める作業が残っています。これが「最終処分場」になります。

最終処分場を国内に求めるのに各地方自治体は難色を示していて、今回北海道の寿都町神恵内村が手を上げました。

このことに関しては、Hatenaブログに書きましたので、そちらをご欄になってください。

www.sheelreport.com国内最終処分場に関しては、かつて高知県東陽町が名乗りを上げ、知事選挙をやり直すほどの住民分断が起こり、結局は候補地の立候補を取り下げました。

未だに分断のしこりは残っているそうです。

そもそも意見を大きく二分する問題を住民投票で決着を付けるのには無理があり、それはどうしても分断を生んでしまいます。

沖縄県での辺野古基地移設問題もそうです。

ただこれらは住民側から求められた住民投票ですが、大阪都構想の是非を問う住民投票は、大阪維新の会側から仕掛けたもので、住民側からの強い思いからではありません。そこが大きく違っています。

ただ、大阪市民の間でも分断は生まれていますね。

寿都町では、最終処分場に関する賛否を問う住民投票開催に関して、議会が否決しました。20億円という目の前のお金がちらつかされているので、これはかなり禍根を残しそうな問題で、今後の動きが注目されます。

また、いざ廃炉にするとなったとしてもそれはそれで大変で、福島原発処理水の
海洋放流に関しても二転三転しています。

www.sheelreport.com核の最終処分場に関して、海外に処理場をお願いすることもありました。

モンゴルに設置しようという話がすすではいましたが、最終的にはモンゴル側から拒否された経緯があります。

またロシアが引受けても良いという打診もあったそうですが、ロシアとの関係を考えて、弱みを握られることのデメリットもあり、国内で最後まで核の処理は賄うことを決め、今回の北海道の2箇所の立候補につながっていくのです。

世界では、フィンランドで建設中の、バルト海に浮かぶオルキルオト島にできた最終処分場「オンカロ」が2020年代初めにも稼働します。

地下400メートル超に廃棄物を埋設し、10万年にわたって保管する試みとなっています。

最終処分場は、世界でもこの一箇所だけです。

日本は活断層があるので、そもそも最終処分場を作って地中深く埋めることには不向きではないかとも言われていますが、オンカロがある岩盤はかなり硬い岩盤となっていて、20億年も破損していないそうです。

 

ただ問題は、ここに核のごみがあることをどうやって後世の人に伝えるかということで、ようは何語で核のごみがあることを示すのかという問題があるそうです。

気の遠くなるような先の話で、果たしてそのときにどのことばが残っているのだろうということが懸念されています。

英語?ドイツ語?フランス語?ラテン語

複数のことばで表示していればどれかは残っているだろというのが今の見解のようですよ。

日本で最終処分場候補地が決まれば、とりあえずは「トイレ」は増設されたことになりますので、原発再稼働の話を俎上に上げることはできるのかもしれません。

廃炉技術も、原発稼働しているからこそ、技術の伝承ができるという主張もあります。

ただ、こういった費用はすべて、私たちが払う電気料金に上乗せされます。

総括原価方式により電気料金が決められているからです。

 

総括原価方式とは、発電・送電・電力販売費、人件費等、すべての費用(コスト)を電気料金に組み込み、さらにその上に一定の報酬を上乗せした金額が、電気の販売収入に等しくなるように電気料金を決めています。

   電気料金 = 総括原価(コスト) + 報酬

このコストに、原子力に関する費用を加えています。東京電力が支払う賠償金も、このコストの中に含まれます。再生可能エネルギーのシステムを作る費用も入っていて、電力会社がかかるコストは会社が負担するのではなく、電気料金にすべて上乗せされ、それゆえ電力会社は決して潰れないという構図にしているのです。

それが、大事な電力の安定供給のためには必要ということになっています。

これはシステム構築や備品等を電力会社に納入するときは、それらのコストも電力料金に上乗せして広く国民が負担して電力会社の腹が痛むわけではないので、業者の言いなりの料金で契約してくれます。

電力会社と取引がある業者にとって、電力会社は上得意様になります。

それは原発施設がある街の飲食店や不動産、すべての業者にとっても上得意様になります。

なにせ言い値で買ってくれるのですからね。

これが電力にまつわる、業者共存の構図になっているのです。まさに「原子力ムラ」ですね。

原子力のある街での飲み食いも電気料金に上乗せして、電気を使う生活者が広く薄く負担しているのですかね。

うまくできているでしょう。これじゃあ原子力はやめられないですよね...