トランプ米大統領は
- 失業保険給付の上乗せ延長
- 一部を対象とした給与税の一時免除
- 家賃未払いに伴う立ち退き猶予の延長
- 学生ローン返済の減免措置
に関する4つの大統領令に署名しました。
ただその金額に関しては、つまり、州政府への支援や失業給付の上乗せ額などの主要な点に関して、議会民主党とは模にして何兆ドルかの隔たりがあります。
民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は共同声明を発表し、トランプ大統領の「見劣りがする」政策発表は「実行不能で弱く、範囲が狭い」と指摘。一部の給与税を猶予することで「高齢者の社会保障とメディケア(医療保険制度)を危機にさらす」と述べたとあります。
トランプ大統領によると、今回の大統領令署名で企業は年収10万ドル(約1060万円)未満の労働者の給与税徴収を猶予することが認められます。期間は9月1日から12月31日までで、11月の大統領選挙で再選された場合は、一部の労働者への給与税の免除期間延長などを行う可能性があるとも述べました。
失業保険給付の上乗せ額は、大統領令で週400ドルとなります。7月末に失効した措置では、上乗せ額は週600ドルでした。
今回の大統領権限の行使は、同権限に関する拡大解釈で論議を呼び、法的に異議を申し立てられる可能性が強いとされています。
トランプ大統領側近によれば、今回の大統領署名という大統領権限の行使について
民主党に要求を抑えるよう圧力をかける手段になり得る
有権者に対しては大統領が国民の生活に目配りしている手立てになる
とみているようです。
ただ、民主党との追加経済対策を巡る交渉成立の可能性を低下させるリスクもあり、これらがマーケットにどう影響するかは注意が必要です。