いま足元でなにが起こっているのか...

物事を客観的に捉え、何をしなければならないかを冷静に考えるヒントをピックップします。主観は排除し、過去の常識にとらわれず、「Opinion」ではなく「Fact」を伝えることをモットーとしています。転ばぬ先の杖...それがこの“Sheel Report ”です。

敵基地攻撃能力とはなにか...その3:きっかけはイージスアショア配備停止、敵基地攻撃能力の名称変更も

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敵基地攻撃能力 イージスアショア

敵基地攻撃を巡る議論は、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画断念を受けて始まったとされています。

イージスアショアを配備しないのであれば、敵基地攻撃能力は必要だ、そうでないと日本の安全は守れないというロジックのようです。

 この論調には、保守派のメディアでは容認していますが、リベラル派のメディアでは慎重に考えるように訴えています。

自民党ミサイル防衛に関する検討チームを立ち上げ、月内にもイージス・アショアの代替策や敵基地攻撃能力の保有の是非について提言をまとめます。

 

さらに、敵基地攻撃の名称変更も検討します。

自民党は敵がミサイルを発射する前に拠点をたたく「敵基地攻撃能力」に関し、それに代わる名称の検討を始めました。

「自衛反撃能力」などの案が浮上していますね。

国際法が禁じる先制攻撃の考え方と区別し、自衛権の範囲内で対応する姿勢も明確にするものとし、党内で「敵基地反撃能力」「スタンドオフ(離れた場所からの)防衛」といった案も出ているようです。

いずれも自衛や反撃、防衛といった表現を使って専守防衛の範囲内であると強調し、世論の理解を得やすくする意図があるようです。

「敵基地攻撃能力」という用語は国際社会で一般的でありません。戦後、憲法9条の下で専守防衛との整合性を厳格に問われてきた日本独特の表現といえます。

そのため海外で誤解を招きかねないとしています。

敵基地攻撃能力の、自民党内から候補として上がっている名称変更例として

・自衛反撃力     自衛の範囲内というイメージ付け
・敵基地反撃能力   2発目以降の発射を防ぐことを強調
スタンドオフ防衛  敵の脅威県外からの攻撃で防衛
           小池流横文字使用のイメージファジー作戦か
・打撃力       「矛」の役割を好調

の候補があるようです。

 

河野太郎防衛大臣は、都内の日本外国特派員協会で開いた記者会見で外国人記者から「日本は先制攻撃に関して議論を進めるのか」と質問されたそうです。

これに対し、河野大臣は議論を進めるうえで「言葉の定義を明確にすべきだ」と語ったとのことです。

「敵基地攻撃」を外国の記者は「preemptive strike」と言うそうです。

日本語に戻すと「先制攻撃」になります。先制攻撃は国際法に違反します。

れゆえ」政府としても、敵基地攻撃を先制攻撃としたくはないのです。あくまで専守防衛の範囲だとしたいのでしょう。

やはり政府としては、1956年に当時の鳩山一郎首相が国会で「攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられない」という答弁を、議論のスタートに置きたいのでしょう。

   敵の攻撃を防ぐのに他の手段がなければ憲法9条に反しない

という解釈に立ちたいようです。

 

「自衛反撃能力」への変更案を唱える党国防族の一人は「敵基地攻撃は先制攻撃との誤解を与える。『自衛』『反撃』という言葉を使い、あくまで専守防衛の枠内だと示したい」と語っています。

自民党は2018年の防衛計画の大綱の改定にあわせた提言で「敵基地反撃能力」という表現を使ったことがあります。敵から攻撃を受けた後、2発目以降の発射を防ぐために基地をたたく考え方からだそうです。

敵からの攻撃を受けた後なので先制攻撃との区別は明らかになるとしています。

政府見解では1発目の準備段階から自衛権の行使として敵基地を攻撃できるが、能力保有に慎重な公明党や野党の反発に配慮した経緯があります。

党内からは「スタンドオフ防衛」との名称も案にあがっています。敵の脅威圏外からの攻撃によって自らを防衛する意味合いを持ち、「防衛」という文言を使って先制攻撃との区別をはっきりさせる狙いがあるようです。

「自衛反撃能力」や「スタンドオフ防衛」には攻撃目標を基地だけに限定しないとの意味も込めているようです。

ミサイルの発射場所は基地に限りません。北朝鮮は移動式の発射台を持っています。「敵基地」との言葉を避け、実態にあった表現をする意図が、「自衛反撃能力」や「スタンドオフ防衛」あるようです。

 

日米同盟で日本が専守防衛の「盾」、打撃力を担う米国が「矛」となる従来の役割分担から一歩踏み出し、日本も「矛」の役割を担うべきだとの主張から「打撃力」という名称を提案する議員もいるようです。

ただイージスアショアが役に立つのか、飛んでくるミサイルを確実に仕留めることができるのかという議論がありましたが、敵基地攻撃に関しても、その効果に対しては疑問を呈する意見もあるようです。

ぜそんなにことを急ぐのでしょう。

その背景に、日本の安全保障とは違うなにかがあるように思えてなりません。

衛隊の議論は、日本の安全保障とは全く関係のないところにあるのではないでしょうか...