愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る不正署名問題で、名古屋市の広告関連会社が多数のアルバイトを募集し、署名簿に偽の署名を書き込む作業をさせていた疑いがあることが、関係者への取材で分かったと報じられました。
広告関連会社の幹部は、リコール運動を主導した事務局の指示だったと周囲に説明しているようで、これは民主主義にとっては大問題のことですが、報道ではあまり取り上げられていませんね。
当然でしょうが、運動事務局の田中孝博事務局長は取材に「指示なんてしていない」と関与を否定しています。
関係者によると、広告関連会社は運動事務局の指示で、人材紹介会社を通じてアルバイトを募集して、昨年10月に佐賀県内の貸会議室にアルバイトを集めて、用意した名簿を基に、署名簿に他人の氏名や住所を書かせたというのです。
現地では運動事務局の関係者がアルバイトに具体的な指示を出していたということです。
リコール運動は、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が主導 したもので、名古屋市の河村たかし市長らが支援しています。
「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」での展示物を問題視するグループが、この展示を許可した大村愛知県知に対して起こしたリコール運動で、リコール運動そのものは民主主義での当然の権利なのですが、そのひょう集めに大きな不正があったことは、民主主義の根幹を揺るがすことだと言えます。
愛知県選挙管理委員会によると、提出された約43万5000人分の署名うち、8割超に当たる約36万2000人分が無効と判断されました。
愛知県選挙管理委員会は今月15日、署名が大量に偽造された疑いがあるとして、地方自治法違反容疑で愛知県警に刑事告発したのです。
愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)に向け、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らが同県選挙管理委員会に提出した署名簿に、偽造が疑われる大量の署名が含まれていた問題で、多数のアルバイトが、愛知県民らの名前や住所が書かれた名簿を、リコール活動団体の署名簿に書き写していたことが分かったのです。
名古屋市の広告関連会社の下請け会社が、大手人材紹介会社を通じてアルバイトを募集し、佐賀市内の貸会議室で書き写させていたということが、地元ブロック紙の中日新聞が、この佐賀市貸会議室に至るまでの偽装の経緯を報じました。
この佐賀市での署名アルバイトの実態がわかったのは、福岡の地元紙である西日本新聞に、そのアルバイトを実際に行っていた人からの告発があったようです。不正な署名に関わったかも知れないというものだったそうです。
この情報を西日本新聞が、愛知県の中日新聞と共同で、スクープしたというものです。
地域や会社の垣根を超えたものだと言えます。
関係者によると、署名簿には、高須院長や活動を支援した河村たかし名古屋市長の写真が載っており、活動団体が利用していた署名簿と同じだったとのことです。
昨年十月の複数の日に、大勢のアルバイトが一人当たり数時間〜十数時間ほど、時給950円で参加したとのことで、広告関連会社は、どんな経緯で下請け会社が仕事を受注したか内部調査を進めているとのことです。
人集めを依頼したメンバーは男性で、詳しい説明をせずに「軽作業をする」などと伝えたというそうです。
愛知のリコール運動が、遠く九州佐賀県で作業が行われていたとは、時給水準が安いということが関わっているのでしょうかね。
名古屋市の広告関連会社幹部が名古屋市の河村たかし市長の支持者で、運動を支援する市長を応援したいと考えたというのだそうです。
リコールは、直接選挙で選ばれた知事に「NO」を突きつける、民主主義の権利でもありますが、それがこの湯な形で偽装により知事を失職させようとする行為は、民主主義に反するもので、とても許されるものではありません。
河村たかし名古屋市長は、自分は被害者だと言っていたようですが、決して責任がないということではないでしょう。
地方には、複数の県をまたいで発行する機関紙とも呼べる「ブロック紙」というものがあります。
九州地方は西日本新聞、中部地方では中日新聞が「ブロック紙」になります。
大手メディアは記者クラブ等、何かと縛りが会って、ある意味政治家との関わりお取材の上で強くなることもありますが、こういった「ブロック紙」は独自の取材で動いているの、しがらみのある大手紙ではできないスクープを発することがあります。
ブロック紙記事には、これからも注目していきましょうね...