いま足元でなにが起こっているのか...

物事を客観的に捉え、何をしなければならないかを冷静に考えるヒントをピックップします。主観は排除し、過去の常識にとらわれず、「Opinion」ではなく「Fact」を伝えることをモットーとしています。転ばぬ先の杖...それがこの“Sheel Report ”です。

敵基地攻撃能力とはなにか...その1:言葉の整理

f:id:SheelReport:20200805102759j:plain

敵基地攻撃能力とは

NHKの言葉解説はこうなっています。

弾道ミサイルの発射基地など、敵の基地を直接破壊出来る能力のことです。政府の見解では、他に手段がない場合のやむをえない必要最小限度の措置として、「法理的には自衛の範囲に含まれ可能」としています。現在は、日米の防衛協力のもと、敵基地攻撃はアメリカが担うことになっていて、政府は「日米の役割分担を変更することは考えていない」と、敵基地攻撃能力の保有を否定しています。

NHKサイトには、2018年4月時点の見解としています。

 敵の基地に積極的に攻撃を仕掛けることは、

   先制攻撃ではなく自衛

だとしています。

  アメリカがその役割を担うので日本は余計なことはしないというだけだ

という見解です。

 

防衛省に聞いてみましょう。

防衛省情報検索サービスというのがあり、「わが国の防衛政策」という項目に「Q&A」があり、そのなかに「わが国に対してミサイル攻撃が行われた場合、わが国は敵基地を直接攻撃できるのですか?」という質問に対して...

わが国が現に保有する防衛力についていうと、自衛隊は、現在、敵基地を攻撃することを目的とした装備体系(たとえば、敵基地の正確な位置を把握し、敵の地上レーダー・サイトを無力化した上で、敵基地を正確に攻撃することに適した装備体系)を持っていないことから、自衛隊が敵基地に対し、軍事的に有効な攻撃を行うことは、現実の可能性として極めて難しいところです。わが国に対してミサイル攻撃が行われた場合には、日米安保体制の枠組みに基づく日米共同対処ということが考慮されるべきであり、「日米防衛協力のための指針」においても、「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。」とされています。 

 なお、政府は、従来から次のような見解を明らかにしています。

わが国に対して急迫不正の侵害が行われ、その侵害の手段としてわが国土に対し、誘導弾などによる攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられないと思うのです。そういう場合には、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、例えば、誘導弾などによる攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾などの基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思います。(1956(昭和31)年2月29日衆議院内閣委員会鳩山総理答弁船田防衛庁長官代読)

ここで気になるのが

わが国が現に保有する防衛力についていうと、自衛隊は、現在、敵基地を攻撃することを目的とした装備体系(たとえば、敵基地の正確な位置を把握し、敵の地上レーダー・サイトを無力化した上で、敵基地を正確に攻撃することに適した装備体系)を持っていないことから...  という前置きです。もし、敵基地を正確に把握できる能力が備われば、敵基地を攻撃しても良いということになるのでしょうか。

 ここに

座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられない

という情緒的な見解を付け加えています。だれもが「そうだよね」と感情的に理解する表現です。

 

外務省はどう考えているのでしょう。

茂木外務大臣の、NHK記者から「NSCでの安全保障の在り方」について問われての回答です...

まさにこれからの議論ということでありますが,我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で,国民の生命・財産を守ることは,政府の重大な責務でありまして,これまで同盟国であります米国との様々な協力によりまして,切れ目のない体制を構築してきたところであります。
昨晩の会見におきまして,総理は,「抑止力」そして「対処力」という言葉を使ったと思いますが,それを強化するために何をすべきか,日本を守り抜いていくために我々は何を為すべきか,安全保障戦略のありようについて,この夏,国家安全保障会議で徹底的に議論して,その方向性をしっかりと打ち出し,速やかに実行に移していきたい,このように発言をされていたと思います。外務省としても,関係省庁とともにしっかり議論を進めていきたいと思っております。
自民党の中におきまして,適基地攻撃能力を含め様々な議論が行われておりまして,昨晩の会見で総理が言われたとおり,そういった議論も受け止めて,関係省庁とともに行っていくことになると思います。

 と答えています。

ただ国際的には、敵基地を攻撃したら、それは戦争の開始とみなされるのではないでしょうか。

いくら日本が自衛を訴えても、“先制攻撃”にはならないのでしょうか...