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高校生のツイートが国を動かす...米子松陰高校「不戦敗」取り消し騒動の問題点

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米子松陰高校 高校生のツイート

 

高校生のツイートが国を動かす...

このようなストーリーで取り上げられているのは、夏の全国高校野球地方予選鳥取大会で、米子松陰高校関係者にコロナ感染者が出たことで濃厚接触者の疑いから、野球部員が大会出場を辞退することになり、野球部主将がツイッターで現状の悔しさを呟いたのを受けて、文部科学省が動いて、この高校は大会に出場することができたというのです。

 この一連の出来事には、いろんな角度から問題点があると思われます。

まずは時系列に沿って事実を確認し、それそれの時点での問題点を検証していきたいと思います。

 

7月16日(金)深夜...
学校関係者にコロナ感染者が判明しました。翌日土曜日の17日の午前中に、米子松陰高校は試合がありました。

17日(土)早朝...
ベンチ入り選手など21人が抗原検査を行い「全員陰性」が判明しました。

8時10分...
このことを保健所に連絡して試合出場の許可を取らなければならないのですが、保健所が開くのは8時30分から。しかし、試合開始「50分前」までに出場の可否を大会側に伝えなければならないというルールが有り、この日の試合開始が9時だったために、タムリミットである8時10分までに保健所になんとか連絡をしました。

この時の保健所の判断は「学校側が行った抗原検査は医療機関での検査ではないので、濃厚接触者かどうかの判断は付きかねる」と、試合出場許可を出しませんでした。

8時10分までに保健所の許可がおりなかったので、仕方なく、米子松陰高校側は、「出場辞退」の判断をくださざるを得ませんでした。

9時00分...
試合開始時刻をもって、米子松陰高校は「出場辞退」による“不戦敗”となりました。

その後、10時になって「濃厚接触者なし」という判断が正式におりましたが、そのときはもう試合を辞退している状態でした。

この一連の流れを、当事者である高校生はなんとも言えない気持ちをTwitterでつぶやき、そのツイートを見て、やっと大人たちが動いたということです。

 

ルールそのものよりも運用の柔軟性が...

コロナ感染者発覚が深夜であり、保健所が開く前に検査報告のタイムリミットがあるなかで、当然医療機関も空いていない状況下でどうやって学校側は、野球部員を濃厚接触者でないことを証明できるのかということです。

この流れをみれば、試合開始時間を遅らせることで、すべて解決してたように思えます。ルールは大事ですが、その運用に配慮があればよかったことではないでしょうか。

それを大人たちがどう判断するかです。

ルールは子どもたちを守るためにあるわけで、罰するためにあるのではないという考え方を持つという、ルールのあり方が問われているように思えます。

高校生のツイートに世論が動き、それでようやく文部科学省が動き、高校野球連盟が動いたのでしょう。

結果、19日月曜日の夕刻に、大会関係者が米子松陰高校の「辞退取り消し」の判断をして、試合ができるようになりました。

ただそれは、米子松陰高校が辞退することで「不戦勝」となった相手高校の次の試合が始まる前だったことで調整できたことです。

もし次の試合が終わっていたら、おそらく調整はできなかったことでしょう。

今まで甲子園をめざして頑張ってきたのに、部員から陽性者が出ていないにもかかわらず、大会出場を辞退しなければならないが辛い」というツイートに、多くの人が心を動かされ、文部科学省が動いて試合ができるようになったというストーリーです。

 

民間検査がなぜダメなのか...なにも変わっていない体制

全体を俯瞰して見てみますと、ルールとその運用に関する問題もありますが、最初に抗原検査結果を、保健所側が頭ごなしに判断根拠としないとしたところが、すごく引っかかります。

医療機関でない検査は、すべてエビデンスにはならないということなのでしょうか。

感染者発覚が深夜であり、それから翌日の8時10分までにできることは、民間の検査キッドを使うことしかできないでしょう。

なぜ、民間の検査はダメなのでしょうか...

いまは、空港などでも民間のPCR検査が広く行われていて、低価格で検査ができます。

何より自宅に検査キッドを郵送してくれて、それを送り返すことで検査ができるようになっています。

わざわざ医療機関に行かなくても、検査ができるようになっています。

それと、なぜ全ての窓口が保健所なのでしょうか。

保健所は、もう業務がパンク状態であるのはずっと言われていて、保健所業務を改善しなければならないことは、随分前の段階で指摘されていたことですが、未だ何一つ改善されてないように思えます。

時間外の対応マニュアルがどうなっていたのかも気になりますねぇ。

 

ルール変更の是非は残る...

ルールはルールで、それをトップダウンでルール変更して良いのかという、そもそもの議論もあります。

救済措置という名目で例外を認めることを「柔軟性」と言えばそうですが、都合よくルール変更がなされることは、良いことではありません。

今回のようなケースが起きた場合には、試合開始時間を保健所が開く時間と調整して変更できるようにルール改正をしておくべきだったと考えます。

事前にあらゆることを丁寧に想定して、ルールの方を備えておくことを普段からやっておくべきだったと思います。

東京五輪は、とにかく開催ありきでルールそのものをどんどん変更してきています。

コロナ対策において、もはや一般の人のルールと五輪関係者のルールが、大きく違ってきています。

東京五輪大会は良くて、なぜ一般のスポーツ競技はダメなのか...
東京五輪大会は良くて、なぜ体育祭はできないのか...

もはや説明のつかない、子どもたちには見せてはいけない社会になってしまっています。

どこかで折り合いをつけないと、日本という社会がダメになってしまいそうですね。

今回の高校野球鳥取大会は、そんなもろもろのことの縮図のような気がしています。